To The City of Sloe Gin Fizz

翻訳、英語、海外移住、国際結婚などについて。

英語の勉強、私の場合

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ポートランドのセント・ジョーンズ橋。ゴシック様式の教会堂にそこはかとなく似ているので、この橋がある公園は「カテドラル・パーク」と呼ばれる。

たまに「英語どうやって勉強したんですか?」と聞かれる。聞かれるたびに、そういえばどうやって勉強したんだろうな、と思う。

私は死ぬほど怠惰だ。自分が楽しいと思うことしかしないし、できない。なので英語を「勉強した」という意識自体があんまりない。ぶっちゃけ英語力も大したことはない。

現状はこんな感じ

・最後に受けたTOEIC L&R(2年前)は860点。

・仕事のメールは問題なくやりとりできる。多少込み入った指摘や訳文の説明も、相手に通じなかったことはない(ただしGrammarlyを入れて冠詞やスペルのチェックはしている)。

・彼氏との間では、日常のちょっとしたやりとりは日本語を使うが、政治の話や込み入った将来の話は英語でする。

・自分が大学院でやってきたことは英語で説明できる。

・ただし、一対一の会話でも、明瞭に発音してもらわないと相手の言葉が聞き取れないことがある。

・複数人でわいわいし始めると完全についていけない。

・焦って話すとすぐに簡単な単語や代名詞を間違う。Heとsheを取り違える!

・発音は悪くないので、自分の話していることがまったく通じないという経験はあまりない。

…なんというか、「できない」わけじゃないんだけれど、「できる」集団の中では最底辺って感じだ。CEFRだとC1いかないと思う。

とはいえ、世の中にはこのあたりまで来るのに苦労している人もまた多いはず。私自身も時間はかかったし。とりあえず、英語は話せるようになりたいけれど、なかなか意思疎通ができない…そういう人を念頭に置きつつ、私が今まで何をしてきたのか、少し振り返ってみようかと思う。

 

1.とにかく英語に触れ続けた

中学校で習い始めて以来、英語に触れること自体はブランクを空けずに続けてきた。大学院に入ってからは日本語に訳されていない情報を仕入れなければならなかったし、海外の学会で英語でペーパーを書いて発表したことも何度かある。そのための指導も受けた。

人によっては大学を卒業して英語を使わない職業に就くと、そのまま英語から離れてしまうこともあるだろう。そうすると、何かきっかけがあって再開する時に難儀してしまうかもしれない。細く長くでいいから、何らかの形で英語に継続的に触れることは意外と大事だと思う。

 

2.毎日読んだ

大学ではヘミングウェイなどを読んでいたが、辞書なしで、かつ返り読みせずに頭から読めるようになるまでは結構時間がかかったと思う。一時期、大学への行き帰りの列車の中で(片道一時間半かかっていた)、BBCニュースの短い記事を必ず1本は毎日読む、ということをやっていた。疲れているときは1パラグラフだけにしてしまう、でも必ず読む。ちなみに、そうしてBBCニュースが辞書なしで読めるようになったころにThe Guardian紙の社説を読もうとして、全然読めなかった衝撃は今でも覚えている。語彙が全然違うんだ。さすがに今は読める。

 

3.英語で話す機会を作った

なんやかんやで英語で話す集まりに顔を出したり、ネイティブの人に一対一で教えてもらったり、そういう機会は意識して作っていた。一番力がついたと思うのは、一通り雑談した後で自分の発言のミスをひとつひとつ拾ってくれる先生に個人指導を受けたとき。いろいろあって半年くらいしか教わることができなかったんだけれど、またああいう指導をしてくれる人を探そうかと思う。

 

4.モチベーションと目的意識があった

高校生の頃から、とにかくサリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」を

原文で読みたかった。あとSeven Nation Armyの歌詞の意味も知りたかった。漠然と英語がやりたい、というだけではなく、英語で何をしたいのかが明確だったのは、モチベーションの維持につながったと思う。

 

5.リーディング力で全部カバーしている

上述の通り、私の学習のモチベーションは基本的に「読めるようになりたい」というものだったし、やってきたこともリーディングがメインだったから、リスニングとスピーキングはまだまだヘボい。

もっとも、リーディングの力はリスニングの力をある程度支えてくれる。面白いことにTOEICを受けた際、一番簡単な最初の2問が不正解で、長い文章を聞き取る必要がある後半の問題は全問正解していた。短い文一発だと、聞き取れなければそれっきりになってしまうが、長い文章なら聞き取れた部分から文脈と内容を類推して正解を導き出せるからだ。この能力はリーディングで身についた部分が大きい。人とコミュニケーションを取る時も基本的にそうやって対処しているような気がする。

すると、私と逆にリスニングとスピーキングを中心にやってきて伸び悩みを感じている人は、ごりごりとリーディングをやるといいのかもしれない。

 

今後の課題

スピーキングとリスニングの訓練に尽きる。一応、自分なりに少しずつ対策をし始めている。これについてはまた後から(毎日ちゃんと続けられるようになってから)書こうと思う。