To The City of Sloe Gin Fizz

翻訳、英語、海外移住、国際結婚などについて。

アメリカのカラオケは楽しい

年末年始は彼氏の実家で過ごした。ポートランド。ポートランドはメイン州とオレゴン州にあるけれど、オレゴン州の方だ。日本の女性向けファッション誌にオシャレ都市みたいにしてたまに紹介されている。ロレッタ・リンとジャック・ホワイトが歌にしている。このブログのタイトルはその歌詞からとった。

 

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写真をたくさん撮ろうと思っていたのに、結局なにも撮っていない。初めての訪米だったので、なんだかいろいろなものを見るだけで忙しかった。せっかくブログを始めたのにもったいないことをした。それでも滞在中に印象に残ったことをちょっと書こうと思う。

アメリカのカラオケは人前で歌うのがデフォ

彼氏兄とその彼女が、カラオケに行こうという。彼氏兄は私が来る前から「ハルに本当のアメリカを見せるぞ」と意気込んでいて、あやうくシューティングレンジに連れていかれそうになって断ったんだけど、カラオケならまあ許容範囲だ。

日本ではカラオケといえばカラオケボックスで、小さい部屋に友達同士で(場合によっては一人で)入って内輪で楽しむものという印象が強い。カラオケバーとかもあるけれど、平均年齢高めだよね。酒の飲めないアラサー女には敷居が高い。

でもアメリカではカラオケボックスは一般的じゃないよ、と彼は言う。ふつうはバーにカラオケの設備があって、完全にオープンになっている。機械を操作するDJみたいな人がいるので、その人にアーティスト名と曲名、曲番号を書いた紙を渡す。順番が来たら名前を呼ばれ、マイクスタンドの前に立って歌を披露するのだ。まったく面識のない酔客の前で。マジかよ。道理で彼が日本にいたころ、近所のカラオケバーに足しげく通い、おじさんおばさんや関西のヤンキーにまじって『宇宙戦艦ヤマト』を熱唱していたわけだ。人前で歌うのに慣れていたのだ。

歌が下手でもわりと大丈夫

行ったのはサウスイーストのBear Paw Inn。誰かの誕生日パーティーをやっていて、おしゃれをした男女でにぎわっていた。店を入ってすぐにカウンターがあり、ピンボール台やスロットマシンが設置され、奥にはビリヤード台もある。コーラを注文して、彼氏兄の彼女(長いな)からエイトボールのやり方を教えてもらう。最初は玉を打ち出せなくてまいったけれど、コツをつかむと結構楽しい。

そうこうしているうちにカラオケの時間が始まる。よくよく聞いているとべつに上手い人たちばかりじゃない。ふにゃふにゃの音程で楽しそうに歌う人もけっこういる。彼氏はかなり歌える人なので、アメリカ人はみんな歌が上手いのかと思っていた。そうでもないんだな。当たり前だけど。

心理的ハードルが下がってきたので、DJみたいな人にThe White StripesのSeven Nation Armyをリクエストした。Seven Nation Armyといえば、2017年のグラストンベリーでジェレミー・コービンの演説の時に歌われて話題になった。あれは10年以上ファンをやっている身としてはうれしかったな。2006年のZepp Osakaでも大合唱したんだよね。

そうこうしているうちに名前を呼ばれたので、マイクスタンドの前に立つ。知らない人の誕生日パーティに集まった知らない人たちからの注目が集まる。あかんこれめっちゃ緊張するやつやん。

でも歌いだすとみんな割とノリノリで聞いてくれる。一緒に歌ってくれる人もいる。終わったら大歓声! Wooo!

これはけっこう気分がいい。なんかこんな感じの歓声を浴びたのは30年生きてきて初めてのような気がする。みんな優しいな。ありがとうありがとう。お誕生日おめでとう、誰か知らないけど。

そういうわけで、普段カラオケボックスでしか歌わない人も、アメリカのバーに行ったら一瞬だけ人気者になれるかもしれない。おすすめです。