To The City of Sloe Gin Fizz

翻訳、英語、海外移住、国際結婚などについて。

遠距離恋愛のコツ?

※自分語り+のろけ記事です。

「遠距離恋愛のノウハウ」

 国際恋愛してる人ってどんなことを考えてるんだろう、と思ってツイッターをうろうろしていると、「遠距離恋愛が続く秘訣は?お教えします!」みたいな記事を書いてる人がそこそこ目につく。

遠距離恋愛が続く秘訣!
それにノウハウとしての需要があるっぽいのがすごく面白い。私なんかはどちらかといえば、続くか続かないか、それはもう人それぞれだろう、と思うんだけど、でもやっぱりいろいろんな人にとって遠距離恋愛は不安なもので(遠距離恋愛だと続かないよ、などと周りの人から言われることもあるのかもしれない)再現性のあるノウハウを求めてしまうのかもしれない。
たしかに遠距離恋愛は、愛や熱意があればなんとかなる、というものでもない。そもそも愛情や熱意は人間の感情の中でも、もっとも移ろいやすいものだろう。そのうつろいやすいものを保ち、育てていく努力―とはいかないまでも、何らかの気持ちの調整―には、やはりコツがあるような気はする。

私たちは遠距離はあまり意識していない

考えてみたら私だって夏からかれこれ5ヶ月以上、太平洋を挟んでなかなかの遠距離恋愛をしている。彼氏とは一日に一度は必ずメッセージを交換している。彼が寝る前には(こっちでは夕方ごろ)、おやすみのメッセージをくれる。時々お互いに時間が合えばビデオチャットをする。
遠距離恋愛だから続くとか続かないとか、考えたことがない。ほぼ日常の一部だ。もちろん、相手に会えないことでとてもさみしく感じる時もあるけれど、続かないかもしれないという不安は抱いていない。どうしてなんだろう。人それぞれ、というのはまあ前提として、他のブロガーさんの真似をして、あえて少し一般化して書いてみるのも楽しいかもしれない。

1. 遠距離に入る前に関係を安定させる

基本的には、これに尽きると思う。日本で1年半付き合って、彼が帰国を決めた時点で私から一度プロポーズし、じゃあ結婚する方向で諸々を調整しましょうか、ということになってからの遠距離だった。
よく言われる話として、恋愛のハラハラドキドキ、ときめきの感情が持続するのは3ヵ月が限度だという。それを過ぎたら、冷めたり倦怠期になってしまう別れてしまう人と、だいたい関係性が安定してくる人とに分かれる。
というわけで、多分遠距離になるのはある程度長く付き合った後の方がいい。それから、何らかの事情から遠距離になる人はさっさとプロポーズしてしまおう(無責任)。

2. 何でも正直に話し合う

彼は私がこれまでに出会ったどの男性よりも正直な人だった。過去の女性遍歴、性癖、あまりポリティカルにコレクトじゃない考え、結婚を決めた時の不安、何もかも包み隠さず、わかりやすい言葉で丁寧に話してくれた。こんな人と一緒にいると、こちらも自然と正直になるものだし、信頼関係も無理なく生まれる。
相手に正直になれるから信頼関係が生まれるのか、信頼があるから正直になれるのか…そのあたりは卵とにわとりのようなところがあるけれど、遠距離になるなら、基本的には先に洗いざらいぶっちゃけてしまうのが、手っ取り早いような気がする。そう考えると、物事を言語化する能力を普段からつけておくことも重要になってくるだろう。

3. 浮気の可能性は割り切って受け入れてしまう

彼には「別に好きな人ができたら相談して、私もそうするから」と言ってある。人間、いつなんどき、どういうきっかけから心変わりするかは誰にも―本人にも―わからない。どうせわからないのだから、相手に他に好きな人ができた時、あるいは自分が心変わりした時の対応策を先に決めておくことだ。
最悪の事態を想定してその時にどうするかを決めておく、というのは、人一倍不安感の強い私が昔から心がけていることでもある。かなり気持ちが安定するので、恋愛以外の場面でもこの考え方はおススメだ。
 
そういうわけで、この記事が遠距離恋愛に心揺れている誰かの何かの参考になればいいなと思う(なるのか?)。

英語の勉強、私の場合

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ポートランドのセント・ジョーンズ橋。ゴシック様式の教会堂にそこはかとなく似ているので、この橋がある公園は「カテドラル・パーク」と呼ばれる。

たまに「英語どうやって勉強したんですか?」と聞かれる。聞かれるたびに、そういえばどうやって勉強したんだろうな、と思う。

私は死ぬほど怠惰だ。自分が楽しいと思うことしかしないし、できない。なので英語を「勉強した」という意識自体があんまりない。ぶっちゃけ英語力も大したことはない。

現状はこんな感じ

・最後に受けたTOEIC L&R(2年前)は860点。

・仕事のメールは問題なくやりとりできる。多少込み入った指摘や訳文の説明も、相手に通じなかったことはない(ただしGrammarlyを入れて冠詞やスペルのチェックはしている)。

・彼氏との間では、日常のちょっとしたやりとりは日本語を使うが、政治の話や込み入った将来の話は英語でする。

・自分が大学院でやってきたことは英語で説明できる。

・ただし、一対一の会話でも、明瞭に発音してもらわないと相手の言葉が聞き取れないことがある。

・複数人でわいわいし始めると完全についていけない。

・焦って話すとすぐに簡単な単語や代名詞を間違う。Heとsheを取り違える!

・発音は悪くないので、自分の話していることがまったく通じないという経験はあまりない。

…なんというか、「できない」わけじゃないんだけれど、「できる」集団の中では最底辺って感じだ。CEFRだとC1いかないと思う。

とはいえ、世の中にはこのあたりまで来るのに苦労している人もまた多いはず。私自身も時間はかかったし。とりあえず、英語は話せるようになりたいけれど、なかなか意思疎通ができない…そういう人を念頭に置きつつ、私が今まで何をしてきたのか、少し振り返ってみようかと思う。

 

1.とにかく英語に触れ続けた

中学校で習い始めて以来、英語に触れること自体はブランクを空けずに続けてきた。大学院に入ってからは日本語に訳されていない情報を仕入れなければならなかったし、海外の学会で英語でペーパーを書いて発表したことも何度かある。そのための指導も受けた。

人によっては大学を卒業して英語を使わない職業に就くと、そのまま英語から離れてしまうこともあるだろう。そうすると、何かきっかけがあって再開する時に難儀してしまうかもしれない。細く長くでいいから、何らかの形で英語に継続的に触れることは意外と大事だと思う。

 

2.毎日読んだ

大学ではヘミングウェイなどを読んでいたが、辞書なしで、かつ返り読みせずに頭から読めるようになるまでは結構時間がかかったと思う。一時期、大学への行き帰りの列車の中で(片道一時間半かかっていた)、BBCニュースの短い記事を必ず1本は毎日読む、ということをやっていた。疲れているときは1パラグラフだけにしてしまう、でも必ず読む。ちなみに、そうしてBBCニュースが辞書なしで読めるようになったころにThe Guardian紙の社説を読もうとして、全然読めなかった衝撃は今でも覚えている。語彙が全然違うんだ。さすがに今は読める。

 

3.英語で話す機会を作った

なんやかんやで英語で話す集まりに顔を出したり、ネイティブの人に一対一で教えてもらったり、そういう機会は意識して作っていた。一番力がついたと思うのは、一通り雑談した後で自分の発言のミスをひとつひとつ拾ってくれる先生に個人指導を受けたとき。いろいろあって半年くらいしか教わることができなかったんだけれど、またああいう指導をしてくれる人を探そうかと思う。

 

4.モチベーションと目的意識があった

高校生の頃から、とにかくサリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」を

原文で読みたかった。あとSeven Nation Armyの歌詞の意味も知りたかった。漠然と英語がやりたい、というだけではなく、英語で何をしたいのかが明確だったのは、モチベーションの維持につながったと思う。

 

5.リーディング力で全部カバーしている

上述の通り、私の学習のモチベーションは基本的に「読めるようになりたい」というものだったし、やってきたこともリーディングがメインだったから、リスニングとスピーキングはまだまだヘボい。

もっとも、リーディングの力はリスニングの力をある程度支えてくれる。面白いことにTOEICを受けた際、一番簡単な最初の2問が不正解で、長い文章を聞き取る必要がある後半の問題は全問正解していた。短い文一発だと、聞き取れなければそれっきりになってしまうが、長い文章なら聞き取れた部分から文脈と内容を類推して正解を導き出せるからだ。この能力はリーディングで身についた部分が大きい。人とコミュニケーションを取る時も基本的にそうやって対処しているような気がする。

すると、私と逆にリスニングとスピーキングを中心にやってきて伸び悩みを感じている人は、ごりごりとリーディングをやるといいのかもしれない。

 

今後の課題

スピーキングとリスニングの訓練に尽きる。一応、自分なりに少しずつ対策をし始めている。これについてはまた後から(毎日ちゃんと続けられるようになってから)書こうと思う。

 

アメリカのカラオケは楽しい

年末年始は彼氏の実家で過ごした。ポートランド。ポートランドはメイン州とオレゴン州にあるけれど、オレゴン州の方だ。日本の女性向けファッション誌にオシャレ都市みたいにしてたまに紹介されている。ロレッタ・リンとジャック・ホワイトが歌にしている。このブログのタイトルはその歌詞からとった。

 

www.youtube.com

写真をたくさん撮ろうと思っていたのに、結局なにも撮っていない。初めての訪米だったので、なんだかいろいろなものを見るだけで忙しかった。せっかくブログを始めたのにもったいないことをした。それでも滞在中に印象に残ったことをちょっと書こうと思う。

アメリカのカラオケは人前で歌うのがデフォ

彼氏兄とその彼女が、カラオケに行こうという。彼氏兄は私が来る前から「ハルに本当のアメリカを見せるぞ」と意気込んでいて、あやうくシューティングレンジに連れていかれそうになって断ったんだけど、カラオケならまあ許容範囲だ。

日本ではカラオケといえばカラオケボックスで、小さい部屋に友達同士で(場合によっては一人で)入って内輪で楽しむものという印象が強い。カラオケバーとかもあるけれど、平均年齢高めだよね。酒の飲めないアラサー女には敷居が高い。

でもアメリカではカラオケボックスは一般的じゃないよ、と彼は言う。ふつうはバーにカラオケの設備があって、完全にオープンになっている。機械を操作するDJみたいな人がいるので、その人にアーティスト名と曲名、曲番号を書いた紙を渡す。順番が来たら名前を呼ばれ、マイクスタンドの前に立って歌を披露するのだ。まったく面識のない酔客の前で。マジかよ。道理で彼が日本にいたころ、近所のカラオケバーに足しげく通い、おじさんおばさんや関西のヤンキーにまじって『宇宙戦艦ヤマト』を熱唱していたわけだ。人前で歌うのに慣れていたのだ。

歌が下手でもわりと大丈夫

行ったのはサウスイーストのBear Paw Inn。誰かの誕生日パーティーをやっていて、おしゃれをした男女でにぎわっていた。店を入ってすぐにカウンターがあり、ピンボール台やスロットマシンが設置され、奥にはビリヤード台もある。コーラを注文して、彼氏兄の彼女(長いな)からエイトボールのやり方を教えてもらう。最初は玉を打ち出せなくてまいったけれど、コツをつかむと結構楽しい。

そうこうしているうちにカラオケの時間が始まる。よくよく聞いているとべつに上手い人たちばかりじゃない。ふにゃふにゃの音程で楽しそうに歌う人もけっこういる。彼氏はかなり歌える人なので、アメリカ人はみんな歌が上手いのかと思っていた。そうでもないんだな。当たり前だけど。

心理的ハードルが下がってきたので、DJみたいな人にThe White StripesのSeven Nation Armyをリクエストした。Seven Nation Armyといえば、2017年のグラストンベリーでジェレミー・コービンの演説の時に歌われて話題になった。あれは10年以上ファンをやっている身としてはうれしかったな。2006年のZepp Osakaでも大合唱したんだよね。

そうこうしているうちに名前を呼ばれたので、マイクスタンドの前に立つ。知らない人の誕生日パーティに集まった知らない人たちからの注目が集まる。あかんこれめっちゃ緊張するやつやん。

でも歌いだすとみんな割とノリノリで聞いてくれる。一緒に歌ってくれる人もいる。終わったら大歓声! Wooo!

これはけっこう気分がいい。なんかこんな感じの歓声を浴びたのは30年生きてきて初めてのような気がする。みんな優しいな。ありがとうありがとう。お誕生日おめでとう、誰か知らないけど。

そういうわけで、普段カラオケボックスでしか歌わない人も、アメリカのバーに行ったら一瞬だけ人気者になれるかもしれない。おすすめです。